『お酢を飲めば体が柔らかなくなる』という話がある。
いつ頃からわからないが、かなり昔から語られている。しかしこの話には医学的な根拠はなく迷信でしかない。

お酢では体は柔らかくならない！！

ではどうして、そんな医学的に根拠のないことが言われるようになったのか、それはテレビの影響が大きい。

昭和の終わり時期にはいろいろなウソともホントともわからない話題をバラエティでやるようになった。人面犬、人面魚、ビールは太る、口裂け女などなど色々なことをアナウンサーに現地に派遣して取材するという本当のニュースのように番組が流行ったのだ。

こういった番組はお酢に鶏の骨を漬けて置いておくと包丁で簡単にスライスするのだ。そしてテレビからはこう言われるのだ。

「どうです。お酢は骨をこんなに柔らかくするんです。お酢飲んで骨を柔らかくすると体が柔らかくなるんですよ。」

視聴者の一部がこれを真に受ける。
そんな視聴者は、学校で職場で井戸端会議で話題に取り上げていったために皆の知るところになったのである。

でも骨が柔らかくなるなら、体が柔らかくなるんじゃないか？と疑問に思う人もいるかもしれませんね。

その疑問をもつ気持ちは分かります。

でも少し違うんですよ。

お酢を飲んでも体が柔らかくはならない。
それはお酢が口を通り、胃にたどり着いてもそのあとは内臓で分解されるだけで骨に直接作用しない。

骨を直接お酢につけない限り柔らかくなることはないので、お酢で身体が柔くなることはない。

そして重要なことですが、人間の身体の柔らかさは骨ではなく関節の柔軟性で決まる。

体を柔らかくなりたいのならストレッチを行うのが一番早い。

まずは太ももを見てくれ。

太ももには前と後ろの両方に筋肉が付いている。この筋肉を柔らかくするに伸ばすことになる。

この筋肉を伸ばすストレッチを最低でも３０秒継続することで効果が出る。

ここで重要なのが、前についている筋肉を伸ばしたなら今度は後ろの筋肉を伸ばさないといけない。

これを毎日繰り返せば、老いても体が柔らかくなるという医学的に知られている方法がある。

これの方法を柔らかくしたい箇所のストレッチを調べて繰り返せばいい。

お前はうそをついている！！
俺はお酢を毎日飲んで体が柔らかくなったぞ！！

こんな意見を言う人もいるかもしれない。
その意見は間違いではない。

人によってはお酢を飲んだら体が柔らかくなることもある。

さっき言っていることと違うじゃないか！！という意見はごもっとも、しかしこれには理由がある。

お酢には、クエン酸が含まれ疲労物質である乳酸を分解してくれる。

乳酸が分解されると筋肉の疲労が取れて筋肉コリが取れてくる。

筋肉コリは体を硬くして、柔軟性を無くしていくのでお酢を飲んで体のコリを取れば体が本来の柔らかさに戻るので、それを柔らかくなったと勘違いしているだけである。

本来の柔らかさからそれ以上に柔らかくなるにはストレッチが大切である。